飾られたネガティブ

「初志貫徹」
「諦めない」
「意思を曲げない」
「ブレない」
「徹頭徹尾」
「頑ななまでに」
上記の言葉、ポジティブに聞こえますでしょうか。僕は、とても「ネガティブ」だと思います。
これらの言葉は、「日本人が美徳だと思い込んでいる悪徳」だと思っています。
どういうことなのかと言いますと、自分の中のネガティブなものを隠すことに使われがちな言葉だということです。
こういった言葉の背景には、「融通が利かない」「人の話を聞かない」「それが間違っていても意見を変えない」「謝らない」といったものが、あまりにも多く含まれているからです。自分を飾り過ぎです。
結局のところ、自分の体面を保ちたいだけに過ぎないと思います。
間違っていたと思ったら謝って改める。人としての基本だと思いませんか。それをできずに、「諦めない」とか、ちゃんちゃらおかしいと僕は思います。
様々な経験を重ねれば、あるいは大人になって、老いていけば、人は変わっていきます。ある情報を知ることによって意見が変わるというのは、そんなに変なことなのでしょうか。情けないことなのでしょうか。
僕には、それが間違っていると薄々気付きながら、引くに引けなくなって固執する姿の方が、よっぽどみっともないと思います。
変わること、改めることに臆病な自分を正当化するために、これらの言葉を使わないでください。
自分の小さなプライドのために、情報を曲げないでください。
「そのような情報があるのですね。失礼致しました。そういった情報を再度こちらでも収集して、再度この問題に関して検討したいと思います。見識が浅いままの言及、申し訳ございませんでした。ご意見ありがとうございました」
っていうほうが、何十倍、何百倍もかっこいいです。
僕が思う「大人」っていうのは、それができる人物のことです。