ポケモンGOに思うこと

玩具として、レゴが優れているといわれる所以は、その遊び方の多様性や拡張性をもってそう言われるんだと思う。ツールの利便性が想像力を大きく妨げないというか。
でもって、ポケモンGOですけど、「ジムバトル」「育成」「発見、捕獲」「コレクション」というのが、元々のゲームにある、ゲームの面白さ。それに対して、属人的な面白さとしての、ARでポケモンと写真を撮る、話題の共通項となる、というところ。あるいはGPSゲームにおける、「普段行くことがなかったところに行く動機」「普段全く気づかなかったスポットの発見」。他にも例えば、「ポケモンランニング」みたいなイベントを立てたら集まる可能性だとか、ひきこもりがゲームをきっかけに外に出てみたとか、二次的な効果もあると思う。
レゴも、ただ単品があっただけでは何の面白さもないわけで、そこに想像が加味されることで、面白さを感じるのだと思います。
それは、カニを食べるときに、食べやすく調理されたものよりも、殻をはがしながら食べる方が美味しく感じる様子にも、少し似ているような気がします。敢えて素材のままに近いものを出す的なところで。
調理されたものを出されたときに、他の料理に転化することはしませんが、イチゴをもらったら、「ジャムにしようかなー」という余地があるという意味で。
そんなわけで、「ゲームが楽しい」という側面ももちろんありますけれども、「面白がれる素地がある」ということが、今回のゲームでは大きいのではないかと思っています。今後、まーフォトコンテストは絶対開催されますよね。短時間で何匹集められるかの競争もあるでしょう。大きさの競争があるかもしれません。ポケモンビンゴなんて遊び方もあるでしょう。
そういったことが、このゲームの魅力だと思うのです。
最後に、僕が一番このゲームで気に入っているところを紹介しますと、それは先にも少し触れたGPSゲームという側面です。普段通らない一本向こうの道に行く、あるいはスポット登録されたところに、普段全く気づかなかった面白いものがあるということで、文字通り現実が(仮想方向だけでなく)拡張していった感覚がありました。これに関しては、そのスポット形成を担った「ingress」のユーザーのセンスの良さを素直に賞賛したいですし、感謝したい気持ちです。
願わくば、事故なく、楽しい思い出に包まれるようなゲームに、ユーザー自身がしていければなと思う次第です。